Ableton: 恐怖!コントローラアサインしてないのに動くフェーダ
AbletonとUC33eの間で「アサインしてないパラメータが動いちゃう現象」について、曖昧な認識だったので覚え書きとしてまとめます。
UC33e以外でも、Abletonにネイティブコントローラとして登録されてるものなら共通だと思います。
僕はまだAbleton 8.4なので設定箇所など最新のものとは違うかもしれません。
トラブルシューティング
問題:
自分でMIDIアサインしていないのに、縦フェーダ、マスターボリュームなどが動いてしまうことがあり、アサインを解除できない。
原因:
インスタントマッピングという便利な機能が仇となっている。
インスタントマッピングとは何
インスタントマッピングというのは、わざわざ手作業でMIDIアサインをしなくても、ソフトと機材が勝手に分かり合って規定の操作をできるようにするという機能で、APCなどの専用ハード以外でもかなりの数の機材が登録されている。
この機能の何が良いかって言うと、ただ単に手間が省けるのは勿論、デバイスごとにアサインしなくても1つのツマミで操作できるのが大きい。シンセAのCutoffをいじっていたツマミでシンセBのAttackをいじる〜なんてことが、マウスでデバイス選択するだけで済んだりする(かも)。
この設定は【環境設定-MIDI Sync】から行える。この画面はそもそも上半分がインスタントマッピングについて、下半分が手動マッピングについてのもので、どちらかの機能を切りたいならここから設定できる。
コントロールとの紐付け
そしてここがミソなのだが、インスタントマッピングに使われるメッセージは、手動マッピングで使われるCCと特に区別されていない。フェーダそのものに対応してるのではなくあくまでCCの番号なのだ。つまり、機材側で設定を変えてしまうと、操作子とソフト側パラメータの位置関係は簡単にぐちゃぐちゃになる!
UC33eであれば、ファクトリープリセットの1(Cubase Mixing 1-8という名前)がきちんと対応している。操作可能なのは、
・縦フェーダ(Ch1-8のCC7)でトラックボリューム
・マスター縦フェーダ(Ch1のCC28)でマスターボリューム
・上段ツマミ(Ch1-8のCC13)でデバイス操作
の17箇所。
この設定をいじれば自分の扱いやすい配置にすることが可能(とくにツマミ)。ただし、上記環境設定を無視して自分なりのプリセットを作っていたりすると、「真ん中らへんのツマミに触れたら突然マスター音量が-infに!」など起こりかねない。
別機材を使った応用編
勿論、このCC番号は「UC33eのファクトリープリセットに合わせて、Abletonが後出しで設定したもの」である。環境設定のコントロールサーフェスで選んだ機材名に対応してCCマッピングがなされる。なので、別の機材名を使うとマップされるCCの種類も数も場所も異なるものになるので、別の機材を使う人がこれを応用したかったら番号を一々調べる必要がある。【表示-ヘルプビュー-内蔵レッスンをすべて表示-コントロールサーフェスリファレンス】の対応操作子表と、機材のマニュアルや専用ソフトを見比べるべし。
しかし裏を返すと、その機材のプリセットさえわかっていれば、他の機材のインスタントマッピングを転用することが可能!例えばUC33eを持っていなくても、nanoKONTROL(ネイティブコントローラじゃないのに!)のフェーダをCh1-8のCC7にしておき、UC33e扱いで設定すれば、手動アサイン無しでトラックボリュームを操作できるのだ!接続されているのが正しい機材か〜の判定がないことを逆手に取って、自分の機材と一番マッチするネイティブコントローラマッピングを見つければ、きっとあなたの作業環境も劇的に向上!ただそこまでいくのが超めんどくせえ!!
"デバイス操作"でできること
上記のデバイス操作というのはシンセやエフェクトをいじれるしくみで、8個のツマミとバンクナンバーの切り替えで沢山のパラメータを操作できる。外部プラグインであればConfigureボタンからパラメータとして追加した順に1, 2, 3, ……と使えるようになる。
内臓プラグインは複雑だが、アサインの対応表はAbleton内部で参照可能。【表示-ヘルプビュー-内蔵レッスンをすべて表示-コントロールサーフェスリファレンス】にデバイスパラメータの全リストという項目がある。
ハードウェアで信号のやりとりガンガンやる人には当たり前の内容だったかもですね。
しかしLive演奏時しかMidiコン使わないからと今まで場当たり的にやってきた人も多いのではないでしょうか。
全然それでいいと思います。
以上。